英語の能力と年収は比例するってホント？

今日、日本の企業はグローバルビジネス戦略を事業の中心とにすることが増加しています。そのような企業は、国内限定だった事業を海外に展開することにより企業の成長基盤を広げ、優秀な海外の人材を積極的に採用して企業の価値を高める目的としてグローバル化を図っています。

現在のビジネスの世界では経済のグローバル化が進み、競争が繰り広げられています。国内外に目を向けて、ビジネス展開や成長のチャンスを伺う必要があります。そんな企業を支える人も、グローバルな人材が求められるのが当たり前になります。

また日本では少子高齢化社会という背景も大きく関係しています。出生率低下で人口の減少が続くと、経済発展を支える労働力となる「生産年齢人口」も比例して減少します。

政府が平成30年に公表した「外国人労働力について」の資料には、日本では1997年から生産年齢人口が減少し続けており、10年間で10％以上も低下しています。労働力不足は年々深刻化していて、2017年12月の有効求人倍率は1.59倍と、人手不足の様子があらわになっています。

この状況を解決するカギとなるのが、外国人労働者の受け入れです。厚生労働省の集計によると2008年には48万6,398人だった外国人労働者数は、2017年には127万8,670万に増加しています。その数約2.6倍に増加しいています。人口減少が続く日本では人手不足解消のために、今後外国人労働者や移民が増えると予測されます。

これからの時代、同級生や同僚またお客様が外国人ということが当たり前になます。こうした社会の風潮の中で、最大の強みとなるのが英語のスキルです。

すでに世界展開を果たしている日本企業や、急成長を遂げている上場企業では社内公用語に英語を使用しているところも数多くあります。採用の際、語学力やコミュニケーション能力を重視する傾向があり、応募要項にTOEICのスコアを記載する企業も多いです。


【新卒採用の応募要項に記載のTOEICの点数の例】
・TOEIC 800点以上　楽天株式会社、ユニリーバ
・TOEIC 750点以上　アイリスオーヤマ
・TOEIC 730点以上　日産自動車株式会社、株式会社ゆうちょ銀行
・TOEIC 600点以上　コニカミノルタ、IBM

例でいうと、楽天株式会社ではTOEICの点数が選考に影響することはないと言うものの、「入社までに800点を取得することが必要」と採用情報に記載されています。ユニリーバではTOEIC換算800点以上を応募資格とし、アイリスオーヤマはグローバルコースの応募条件としてTOEIC750点以上が必須です。日産自動車株式会社では、TOEIC L&Rスコア730点が就活生に求められています。株式会社ゆうちょ銀行は総合職の応募資格にTOEIC730点相当と記載しており、コニカミノルタではTOEIC600点（事務系職種は730点）をガイドラインとしています。またIBMは入社時までにTOEIC 600点相当の英語力を有することを推奨するとしています。（※いずれも2018年3月時点の情報です。）

今日、日本の企業では社内の人事評価制度に英語スキルが大きく関わっている企業も珍しくありません。

TOEICが企業・団体に対し行った「英語活用実態調査2015」（有効回答：521企業・団体）をみてみると「TOEICスコアを昇進・昇格の要件にするか」という質問に対し、「全社で要件にしている」と回答したのは22.3％、「特定の部署で要件にしている」では8.8％で、3割以上の企業・団体が英語力を人事評価制度に導入していました。また、「要件にしていないが、将来はそうしたい」という企業も28.5％にのぼり、関心の高さが伺えます。

以前では「英語は受験対策」「社会に出たら英語なんて使わない」という考え方もありましたが、今後は「会社に入った後こそ英語力が求められる」と考えるのが当たり前になります。

また、英語のスキルにより昇進が関わるということは、英語ができる人と、できない人で年収に大きな差が発生してしまうということに繋がります。

「英ナビ！」の「英語力とQOL（クオリティ・オブ・ライフ、人生と生活の質）の関係性調査」では、英検の最終取得級が高い級の人ほど年収が高い傾向にあることが判明しました。50代男性の年収を調査したところ、最終取得級が「英検準2級」の人の年収は平均618.6万円で、「英検2級」で平均788.5万円、「英検準1級」で平均879.1万円、「英検1級」で平均1,114.6万円と、英検取得級と平均年収が比例する結果となります。

そしてもう1つ、英語スキルと年収の相関関係を表す別の調査結果もあります。

「キャリアインデックス」が会社員の語学力と年収の関連性を調査した結果、就業中の20～59歳の男女1,000人のうち、英語について「日常会話や読み書きができるレベル」と回答した割合は、年収500万円未満の人が22.4％、500～700万円未満の人が34.0％、700万円以上の人が48.7％でした。こちらの調査結果からも、英語スキルと年収は相関関係だということが明確です。
また、英語学習を早くスタートするほど、将来の平均年収は高くなることも同じ調査から明らかになっています。
40~50代男性の英語学習開始時期と現在の平均年収の相関を調べたところ、小学生以前に英語学習を始めたは人は、中学生以上から学習を始めた人に対して、平均年収が約137万円高いことが分かりました。

今後ますます英語スキルが求められる職業の一覧を紹介します。

〇営業
国内で営業活動をする場合でも、外資系企業との取引などで外国人の顧客を訪問して英語で商談する場面が増加します。
英語でのコミュニケーション力があれば、外国人の顧客ともスムーズに商談できます。

〇先生
社会での英語力への必要性が増すことで、先生にも求められる英語力が年々高くなっています。
その中でも特に英語力のある人材が求められているのが小学校教員です。英検1級保有者に対し、採用試験の一部を免除している教育委員会もあるほどです。

〇医師、看護師
在日外国人が増加している現在、外国人の患者から容態を聞き、治療についての説明など、医療の分野でも英語でのコミュニケーションが必要になります。
また現在、医師は医学の分野でも国際的に通用する共通言語は英語なので、主要な医学ジャーナルで最新の医療知識を取り入れたり、国際的な学会に参加するために英語力必須となっています。

それ以外の職業でも、グローバル化が進んでいる今日ではビジネスで英語すきるが求められる機会は増える事は間違いありません。高い英語スキルを身につけることで、よりやりがいのある仕事に出会う機会が広がるでしょう。
英語学習を早く始めると将来的な平均年収は高くなるという調査結果を紹介しましたが、英語を自然に身につけるという点で早期からの英語教育に取り組むと有効的です。
脳が発達途中の乳幼児期から母国語と同様にたくさんの英語にふれると、英語の音を聞き取り、発音する力が伸ばしやすいからです。
子供が就職するときの選択肢を広げてあげるためにも、幼少期から英語に触れることで基礎を作ってあげることが大切です。

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